【グラフと図で分かりやすく、2025年問題】
このページでは、社会保障費負担構造の変化、高齢者人口・死亡者数・要介護者数・認知症高齢者数の推移
若年性認知症、オレンジプラン、医療介護制度改革などに厚生労働省等の資料を基にまとめました。
「2025年問題」とは、団塊の世代が2025年頃までに後期高齢者
(75歳以上)に達する事により、介護・医療費等社会保障費の
急増が懸念される問題です。
左のグラフは、平成27年(2015年)に「ベビーブーム世代」が
前期高齢者(65〜74歳)に到達し、10年後の平成37年(2025
年)高齢者人口は、約3,500万人(人口比約30%)に達すると
推計されています。
(平成18年厚生労働省・委員会報告書より抜粋)
これまでの高齢化の問題は、高齢化の進展の「速さ」の問題
でしたが、平成27年(2015年)以降は、高齢化率の「高さ」
(高齢者数の多さ)が問題となります。
厚生労働省は、高齢化の進展により変化する数値の見通しを
以下の掲げる5つのカテゴリに分けて発表しています。
@高齢者人口の推移、A認知症高齢者数の見通し、
B高齢者世帯の見通し、C死亡者数の推移、D都道府県別
高齢者人口の見通しなどです。
「今後の高齢化の進展/厚生労働省」はコチラ(PDF:273KB)
高齢者(65歳以上)1人に対して生産年齢人口(15〜64歳)が
何人で負担するか?という人数も大きく変化して来ました。
「胴上げ型/1965年」高齢者1人に対し生産年齢人口9.1人。
「騎馬戦型/2012年」高齢者1人に対し生産年齢人口2.4人。
「肩車型/2050年」高齢者1人に対し生産年齢人口1.0人。
低い出生率と諸外国に例を見ないスピードで高齢化が進行して
年金等厳しい社会保障費負担の社会到来が予想されています。
国立社会保障・人口問題研究所によれば、日本の人口は
2007年をピークに減少をはじめ、2025年には約1億2,114万人
2050年には約1億59万人になると予測されています。
平成27年(2015年)「団塊の世代/1947〜1949年生まれ」
約800万人が高齢者(65歳以上)となり、低出生率が拍車を
かけ、生産年齢人口がさらに減少します。
「2025年問題」・・・介護や福祉分野の需要はますます増え
医療費などの社会保障費が急膨張するなか、医療・介護の
サービス体制の抜本的な見直しが必要とされています。
「今後の高齢者人口の見通し」はコチラ(PDF:223KB)
健康寿命(けんこうじゅみょう)とは?
日常的に介護を必要とせず、自立した生活が出来る生存期間の
事で「WHO」が2000年に公表しました。これは平均寿命から
介護年数(自立した生活が出来ない年数)を引いた数です。
平均寿命(へいきんじゅみょう)とは?
人間の寿命の平均で「天寿」では無く、死因にかかわらず
生まれてから死ぬまでの年数を言います。
平均寿命とは、0歳の平均余命の事でもあります。
左のグラフは、国勢調査(平成22年/2010年まで)の数値
および日本の将来推計(平成24年/2010年)の推計数を基に
年代別の人口推移を表したものです。
(濃い色は実数、薄い色は推計です。)
【世代別人口の分類】
14歳以下人口、15〜64歳人口(生産年齢人口)
65〜74歳人口(前期高齢者)、75歳以上人口(後期高齢者)
2025年には高齢者は全体の約30%(3人に1人)となります。
右図は、2010年→2040年の東京周辺の75歳以上人口増減率を
色分けしたものです。(赤は増加率100%以上)
【高齢者の都市部集中】
都道府県別に見た高齢者(65歳以上)人口の推移では都市部に
集中しており、今後の世帯形態は、単身(独居)・夫婦だけの
高齢者世帯が増加すると予想されています。
都市部に集中する高齢者対策として地域医療・介護・生活支援
など総合的な体制の見直しが始まっています。
「都市部の高齢化対策に関する資料」はコチラ(PDF:1.80MB)
【認知症高齢者数について】
2010年では約280万人、2020年には410万人、2025年には470万人を超えると推計されています。
【日常生活支援度U以上の認知症高齢者数の将来推計】
平成22年(2010) 283万人(9.5%/65歳以上人口比)
平成24年(2012) 305万人(未算出)
平成27年(2015) 345万人(10.2%/65歳以上人口比)
平成32年(2020) 410万人(11.3%/65歳以上人口比)
平成27年(2025) 470万人(12.8%/65歳以上人口比)
日常生活支援度U(認知症自立度U)とは?
日常生活に支障を来す様な症状・行動や意思疎通の困難等が
多少見られても、誰かが注意すれば自立できる状態をいう。
日常生活支援度V(認知症自立度V)とは?
日常生活に支障を来す様な症状・行動や意思疎通の困難等が
ときどき見られ、介護を必要とする。
【認知症有病率】
認知症の全国有病率推定値=15%
全国の認知症有病者数=439万人(平成22年)
【MCI有病率】
MCIの全国有病率推定値=13%
全国のMCI有病者数=380万人(平成22年)
MCI(軽度認知機能障害)とは?
正常でも無い、認知症でも無い、正常と認知症の中間状態
【若年性認知症の基礎疾患の内訳】
脳血管性認知症39.8%、アルツハイマー病25.4%
頭部外傷後遺症7.7%、前頭側頭葉変性症3.7%
アルコール性認知症3.5%、認知症を伴うパーキンソン病
及びレピー小体型認知症3.0%、その他17.0%
【若年性認知症(18歳〜64歳)の有病率】
人口10万人当たり、男性57.8人、女性36.7人、合計47.6人
推定患者数:約3.8万人(2009年推計)
「若年性認知症の内訳」はコチラ(PDF:214KB)
「肥満は認知症につながる」のページはコチラ
「認知症は生活習慣病の終末/佐中孜氏」のページはコチラ
どこに住んでいても、その人にとって適切な医療・介護サー
ビスが受けられる社会へ
社会保障と税の一体化調査委員会(平成23年11月)において
厚生労働省の提出資料「医療・介護制度改革について」では
2025年問題にむけた、医療・介護に関する予測数値に基づき
工程表、医療・介護サービスの強化、医療・介護サービスの
需要と供給、医療提供体制の機能強化に向けた今後の取組み
診療報酬改定、医療保険制度の強化、高額療養費、介護職員
処遇改善、介護納付金、高齢者保険料の低所得者対策、介護
給付金・介護報酬改定などが盛り込まれています。
「医療・介護制度改革について」はコチラ(PDF:1.93MB)
このページでは2025年問題について、高齢者人口・死亡者数の推移、社会保障負担の変化
都市部の高齢化対策、要介護認定数、認知症・若年性認知症、医療・介護制度改革、社会
保障と税の一体化など厚生労働省等の資料を基に説明して参りました。
では、医療経営側の視点から見た2025年問題、診療報酬改定、地域包括ケア、IT化(DPC)
推進など運営体制の変化による国民への影響はどうなるのでしょうか?
医療経営情報誌「医事業務」編集長:田中利男氏のインタビューをごらん下さい。
「医事業務 田中利男氏」のページはコチラ
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